同じ「いいよ」を聞いてみよう

「いっしょに遊ぼう」「いいよ!」。この返事なら、遊んでくれると思いそうですね。では「ケーキ、もうひとつ食べる?」「もういいよ」なら、どうでしょう。食べたいのかな、それともおなかがいっぱいかな?
文字の形が似ていても、前に何を聞いたかで、受け取り方は変わります。下の図で、質問と返事をセットにして読んでみましょう。これは練習のために作った会話です。
質問が変わると、返事の意味も?
「いっしょに遊ぶ?」
「いいよ!」
「ケーキ、もうひとつ?」
「もういいよ」
ことばのまわりも、手がかり
話している場所、直前の質問、相手との関係。こうしたことばのまわりの事情を「文脈(ぶんみゃく)」と呼びます。声の調子や表情も、会話の手がかりになります。
ただし、小さい声だから必ず怒っている、笑っているから必ず賛成、とは決められません。疲れていたり、緊張していたりすることもあります。相手の気持ちを当てる競争にしなくて大丈夫です。
伝わったつもり、になっていない?
友だちが「そこに置いて」と言ったとします。「そこ」は、どこでしょう。机を指さしていればわかっても、文字だけのメッセージでは、困るかもしれません。
「青い箱の中に置いて」と言い直すと、手がかりが増えます。ことばを研究する言語学(げんごがく)では、音や文のしくみだけでなく、ことばが実際の場面でどう使われるかも考えます。
聞き直すのは、わるいこと?

意味がはっきりしないときは、「遊べるってこと?」「ケーキはいらないってこと?」と、短く聞き直せます。わからなかった自分を責める必要はありません。
下の図は、わからない返事を確かめる流れです。相手が「ちがうよ」と言ったら、読み方を変えられます。相手の説明より、自分の想像を優先しないようにしましょう。
想像で決めずに、確かめよう
今日、やってみよう
紙に「あとでね」と書いてみましょう。いつのことだと思う? 5分後、夕ごはんの後、明日。人によって想像はちがうかもしれません。
次に「夕ごはんが終わったらね」と書き直してみてください。何がわかりやすくなりましたか。伝えたいことに合わせて、手がかりを足す練習です。
くらべると、何が見える?
次の表は、この記事のために作った例です。
| 注目すること | たとえば | 考える手がかり |
|---|---|---|
| 質問 | いっしょに遊ぶ? | 何についての返事かを確かめる。 |
| 場面 | 食べた後の「もういいよ」 | おなかがいっぱいという意味かもしれない。 |
| 確認 | いらないってこと? | 想像を、相手に確かめられる。 |
ことばの小さな辞典
- 文脈
- 前後のことばや、そのことばが使われる場面。意味を考える手がかりです。
- 言語学
- 人のことばの音、文のしくみ、意味や使われ方などを研究する学び。
紙とえんぴつで、やってみよう
答えを送信する必要はありません。自分のノートに書いて、おうちの人と話してみてね。
- 「あとでね」を聞いて思い浮かぶ時間を書こう。
- おうちの人にも聞き、ちがいをくらべよう。
- 何時か、何が終わったらか、伝わりやすい表現に書き直そう。

じぶんの考えを見つけよう
考えてみよう!
友だちから「それでいい」とだけ返事が来ました。賛成しているのか、しかたなく選んだのか、文字だけで決められる?
考えるヒントを見る
どちらの可能性もあります。「この案に決めて大丈夫? 変えたいところはある?」と確かめられます。短い返事だけで気持ちを決めつけないことが大切です。
参考資料・さらに読む
おうちの方へ:お話のもとになった考え方を調べるための資料です(英語の資料を含みます)。身近な例や「考えてみよう」は、このサイトで作りました。
ことばと文脈の関係はOpen UniversityのGrammar mattersを参照しています。日本語の会話、図、活動は本サイトで作成した例です。
内容の誤りや出典についてのご指摘は、訂正窓口へお寄せください。


