公平と平等

「公平」って、みんな同じにすること?

6まいのクッキーを、3人で分けよう。「みんな同じ」が、いつもいいのかな?

この記事で考えること:同じ数にすることと、事情に合わせること。それぞれの理由をくらべよう。

まずは、2まいずつ!

クッキー6まいを、3つのお皿に2まいずつ。同じ数に分ける場面です。
クッキー6まいを、3つのお皿に2まいずつ。同じ数に分ける場面です。

ここに、クッキーが6まいあります。食べるのは、あなたと友だち2人の、あわせて3人。どうやって分けますか?

「2まいずつ!」と思ったかな。同じ数にすると、分け方がわかりやすいですね。でも、友だちの1人が「おなかがいっぱいだから、1まいでいいよ」と言ったら、どうしましょう。

下の絵で数えてみよう。どのお皿にも、クッキーは2まいずつあります。

6まいを、同じ数にすると?

あなた2まい
友だちA2まい
友だちB2まい
2+2+2=6まい。同じ数にする分け方です。まずは、だれもが2まい食べたい場合で考えます。

「同じ」と「ちょうどいい」はちがう?

同じ数に分けるのも、ほしい数を聞いてから分けるのも、分け方のひとつです。何を大切にするかで、答えは変わります。

たとえば、全員が食べたいと思っているなら2まいずつ。1人がいらないと言ったら、残った人で分けるか、あとで食べるために取っておくか、相談できます。勝手に決めずに、まずは聞いてみるのがよさそうです。

次の絵は、話し合って「2まい・1まい・3まい」にした例です。同じ数ではないけれど、どんな理由があれば納得できそうかな?

「1まいでいいよ」と聞いたら?

友だちA「わたしは1まいでいいよ」
あなた2まい
友だちA1まい
友だちB3まい

残りをあとで食べる、という方法もあるね。

1+2+3=6まい。これは相談した場合のひとつの例。「こう分けるのが正解」ではありません。みんながどう思うか、聞いてみよう。

「どうして?」から始まる哲学

こうして、ふだんは気にしないことを「どうして?」と考える学びを、哲学(てつがく)といいます。

大むかしの哲学者ソクラテスは、対話の中で「それはどういう意味?」と問いかけた人として知られています。そのようすは、弟子のプラトンが書いた本に出てきます。ただし、本の会話が、そのまま実際の会話だったとは限りません。

社会にも、同じ問いがある

図書館の入口で、階段とスロープを見くらべています。
図書館の入口で、階段とスロープを見くらべています。

みんなに同じ量を分けることを「平等(びょうどう)」と呼ぶことがあります。一人ひとりの事情も考えて、分け方がよいかを問うのが「公平(こうへい)」という考え方の入口です。ただし、何を公平とするかは、人によって意見が分かれます。

たとえば、図書館の入口に階段しかなかったら、全員に同じ入口を用意しても、車いすの人は入りにくいですね。スロープをつけるのは、使えるようにするための工夫です。「同じにすること」と「使えるようにすること」は、同じではありません。

おやつと公共のしくみは、まったく同じではありません。でも「何を同じにする?」「どんな事情を考える?」という問いは、どちらにもあります。ちがう意見があるときは、理由をくらべて考えます。

今日、やってみよう

家や学校で「それって、ずるい!」と思ったことはありますか? どんな分け方ならいいと思うか、理由とセットで話してみましょう。

友だちの答えがちがっても、すぐにまちがいとは決めなくて大丈夫。「何を大切にしたの?」と聞くと、自分にはなかった考えが見つかるかもしれません。

くらべると、何が見える?

次の表は、この記事のために作った例です。

公平と平等をくらべる
注目することたとえば考える手がかり
同じ数にする6まいを2まいずつ分ける決まりがわかりやすい。食べられる量のちがいには合わないことも。
必要に合わせる少しでよい人に聞いて、数を相談する事情を考えられる。だれの事情をどう確かめるかが課題。
働きに合わせる準備した人へ多めに分ける協力に応えられる。手伝いたくてもできなかった人はどうする?

ことばの小さな辞典

平等
何を同じにするかに注目する考え方。同じ数、同じ機会など、比べるものにも種類があります。
公平
分け方や決め方に納得できる理由があるかを問う考え方。ひとつの計算で決まるとは限りません。

紙とえんぴつで、やってみよう

答えを送信する必要はありません。自分のノートに書いて、おうちの人と話してみてね。

  1. 紙にクッキーを6つ描き、3人の分け方を2通り考えよう。
  2. それぞれ「何を大切にしたか」をひとこと添えよう。
  3. 1人に食物アレルギーがあるとわかったら? 数を変えるだけでよいか、別のおやつも考えよう。

じぶんの考えを見つけよう

考えてみよう!

クッキーを分ける前に、1人だけ机の準備と片づけをしてくれました。その人に多く分ける?

考えるヒントを見る

「手伝ってくれたから多く分けたい」も、「食べる数は同じにしたい」も、理由のある考えです。まずは、その人が何を望んでいるか聞いてみましょう。この問題は、本サイトが作ったお話です。答えをひとつに決めるクイズではありません。

参考資料・さらに読む

おうちの方へ:お話のもとになった考え方を調べるための資料です(英語の資料を含みます)。身近な例や「考えてみよう」は、このサイトで作りました。

分配の基準がひとつではないことはStanford Encyclopedia of PhilosophyのDistributive Justiceを参照しています。クッキーと図書館の例、比較表、活動は本サイト独自の説明です。

内容の誤りや出典についてのご指摘は、訂正窓口へお寄せください。