光を、耳で聞いたのかな?

森の小さな池で、水面がきらきら光っています。マスコットがノートに「きらきら」と書きました。でも、光そのものから「きらきら」という音を聞いたのでしょうか。
一方、小さな太鼓をたたく音には「どんどん」という言葉を使えます。どちらも短い音を繰り返す形なのに、一方は聞こえる音、もう一方は見える光の様子を表しています。
池と太鼓の場面は、考えるために作った架空の例です。挿絵では、マスコットのそばの光に注目してください。「きらきら」は、そこに音が鳴ったという報告なのでしょうか。
音を表す言葉、様子を表す言葉
物音などをまねて表す言葉を「擬音語(ぎおんご)」、音のない状態などを表す言葉を「擬態語(ぎたいご)」と呼びます。両方をまとめて「オノマトペ」と呼ぶことがあります。
国立国語研究所の解説では、物音を表す「どんどん」と、状態を表す「きらきら」などが紹介されています。声、動き、気持ちを分ける、もっと細かい分類もあります。ここではまず、音を表しているのか、そうではない様子なのかを見てみましょう。
下の図では、太鼓と光を並べました。「どんどん」は太鼓の音、「きらきら」は光の見え方に注目させます。似た形の言葉でも、何を伝えるかは違うのですね。
「きらきら」は、水音がしなかった証拠でもありません。池の周りに別の音があっても、この言葉で表しているのは光の様子。言葉が取り上げたことと、場面のすべては区別しましょう。
似た形でも、伝えるものが違う
- どんどん:太鼓
聞こえる音を表している。
- きらきら:光
光って見える様子を表している。
同じ言葉でも、表すものが変わる

では、「どんどん」は、いつも太鼓のような音を表すのでしょうか。「紙の花が、どんどん増えた」と書くと、どうでしょう。花が鳴ったというより、増えていく様子を伝えています。
国立国語研究所も、一つのオノマトペが、使われる文によって音を表したり、物事の様子を表したりすることを説明しています。言葉の形だけで、どちらかの箱へ永久に入れてしまうことはできません。
この段落の紙の花は、本サイト独自の例です。マスコットが紙の花を並べる挿絵を見ながら、「何の音?」ではなく「何がどうなっている?」と聞いてみましょう。言葉の役目を確かめる質問も変わります。
「きら」を繰り返すと?
次は、意味だけでなく形も見てみましょう。「きらきら」では「きら」が二回あります。「きらっ」では、最後に小さな「っ」があります。下の図では、言葉を色付きのまとまりに分けました。
国立国語研究所の語形の解説は、同じ音の繰り返しや、小さな「っ」などを、オノマトペによく見られる特徴として紹介しています。小野正弘さんの解説でも、もとになる音に形を加えたり、繰り返したりする組み立て方が説明されています。
「水面がきらきら光っている」「光がきらっと見えた」。この二つを読んで、どんな光を思い浮かべますか。二つ目から短い光を思い浮かべる人もいるでしょう。思い浮かべた様子と、言葉のどこが手がかりだったかを話してみてください。
繰り返せば、どんな言葉でも同じ意味の変化になる、という決まりにはしません。「きらきら」だけで、光った回数や長さが正確に測れるわけでもありません。言葉の形は、様子を伝える工夫なのです。
「きら」を、どう組み立てる?
- きら + きら → きらきら
同じ「きら」が二回ある。水面がきらきら光っている、という文を読んでみよう。
- きら + っ → きらっ
最後に小さな「っ」がある。光がきらっと見えた、という文とくらべよう。
一枚の絵に、言葉を足そう
紙に、池と紙の花がある架空の庭を描きます。まず「池がある」とだけ書いてみましょう。次に「池がきらきらしている」と書くと、絵のどこを見てほしくなりますか。
音を伝えたければ、小さな太鼓も描いて「どんどん」と添えてみます。光を表した言葉と、太鼓の音を表した言葉を線で結び、何に注目してほしいかを確かめましょう。本物の大きな音を鳴らす必要はありません。
最後に、紙の花のそばへ「どんどん増える」と書きます。同じ「どんどん」でも、太鼓と花で伝えることが違いました。短い言葉を足すだけで、聞こえるものだけでなく、見え方や変わり方にも目を向けられるのですね。
くらべると、何が見える?
次の表は、この記事のために作った例です。
| 注目すること | たとえば | 考える手がかり |
|---|---|---|
| 光の見え方 | 池がきらきらしている | どんなふうに光って見えるかに注目する。 |
| 太鼓の音 | 太鼓がどんどん鳴る | 物から聞こえる音を表している。 |
| 増えていく様子 | 紙の花がどんどん増える | 同じ言葉でも、ここでは音を表していない。 |
ことばの小さな辞典
- オノマトペ
- 擬音語や擬態語をまとめて呼ぶ言葉。
- 擬音語(ぎおんご)
- 物音などをまねて表す言葉。例えば太鼓の音を表す「どんどん」。
- 擬態語(ぎたいご)
- 音のない状態などを表す言葉。例えば光の様子を表す「きらきら」。細かい分類もあります。
紙とえんぴつで、やってみよう
答えを送信する必要はありません。自分のノートに書いて、おうちの人と話してみてね。
- 池と紙の花がある架空の庭を描こう。
- 光を表す言葉を池のそばに書こう。太鼓を描き、音を表す言葉も添えます。
- 紙の花に「どんどん増える」と書き、太鼓の「どんどん」と何が違うか話そう。

じぶんの考えを見つけよう
考えてみよう!
架空の庭の絵に「きらきら」「どんどん」を添えるなら、どこに置く? 同じ「どんどん」を太鼓と紙の花に使うと、何を伝える言葉になる?
考えるヒントを見る
光、太鼓の音、花が増える様子を分けてみましょう。「聞こえる音? 何かの様子?」と質問します。絵の中で試せるので、本物の太鼓や大きな音は要りません。
参考資料・さらに読む
おうちの方へ:お話のもとになった考え方を調べるための資料です(英語の資料を含みます)。身近な例や「考えてみよう」は、このサイトで作りました。
意味の分類と同じ語の複数の用法は国立国語研究所の分類コラム、反復と小さな「っ」の形は語形コラム、光の見え方は「きらきら」の用例、基本要素に形を加える考え方は小野正弘氏の解説を参照しました。池・太鼓・紙の花を組み合わせた場面、文章比較、挿絵、図、活動は本サイト独自の架空例です。資料の漫画や画像は転載していません。
- 国立国語研究所:擬音語・擬態語にはどんな種類がある?(意味による分類と複数の用法)
- 国立国語研究所:擬音語・擬態語の語形の特徴は?(繰り返しと小さな「っ」)
- 国立国語研究所:きらきら(光の様子の用例)
- ことば研究館:日本語 オノマトペの組み立て/小野正弘(基本要素と加工・繰り返し)
内容の誤りや出典についてのご指摘は、訂正窓口へお寄せください。


