プライバシーと、写真を広める前の同意

友だちの写真、勝手に見せていい?

写真を撮ってよいと言われたら、みんなに見せてもよい? プライバシーと同意を、写真を見せる相手や目的の違いから考えます。

この記事で考えること:撮ることと、広めることは別に確かめる。相手が断れる聞き方で、見せ方への同意を大切にしよう。

楽しい写真を、見せたくなったら

マスコットが、花のそばにいる架空の友だちを描いた写真風の絵を見て、誰に見せるか考えています。実在する人の写真ではありません。
マスコットが、花のそばにいる架空の友だちを描いた写真風の絵を見て、誰に見せるか考えています。実在する人の写真ではありません。

友だちと花を見つけました。「写真を撮ってもいい?」と聞くと、「いいよ」。花のそばで笑っている、すてきな写真が撮れました。

あとで、その写真をほかの友だちにも見せたくなりました。「撮っていいと言ったのだから、見せてもいいよね」。ここで、少し立ち止まってみましょう。撮られることと、別の人に見せられることは、同じでしょうか。

このお話と挿絵は、本サイトで作った架空の例です。マスコットが見ている写真風の絵も、実在する人の写真ではありません。自分が楽しいと思う写真でも、写っている相手は違う気持ちかもしれません。

「何をしてよい?」を、分けてみよう

この例で、友だちが答えたのは「写真を撮ってもいい?」という質問です。「ほかの友だちに見せる」「インターネットに載せる」ことまで、同じ返事で決まったとは考えないほうがよいですね。

「この写真を、明日の集まりで3人に見せてもいい?」。することと相手を具体的にすれば、友だちも何を聞かれているか考えやすくなります。下の図で、撮影と共有の問いをくらべてください。

相手が、何をするかを理解し、無理に言わされずに「よい」と認めることを、ここでは「同意(どうい)」と呼びます。オーストラリアの公的機関eSafetyも、写真の共有について、理解したうえで自由に許可することが大切だと説明しています。

「撮る」と「見せる」は、別の質問

撮ってもいい?
この3人に見せてもいい?
  1. 撮る前

    花のそばで、写真を撮ってもいい?

  2. 見せる前

    この写真を、明日の集まりで3人に見せてもいい?

  3. さらに公開先を変える前

    インターネットにも載せたいなら、同じ許可として扱わず、改めて確かめる。

架空の会話の例。撮影への返事だけで、別の人への共有まで決まったとは考えません。

見せたくないのには、理由がいる?

マスコットが、写真風の絵を封筒にしまい、今は広めないことを選んでいます。勝手に広めない場面を描いた、本サイト独自の架空例です。
マスコットが、写真風の絵を封筒にしまい、今は広めないことを選んでいます。勝手に広めない場面を描いた、本サイト独自の架空例です。

「3人には見せないで」と言われました。あなたには、かわいく写っているように見えます。それでも、「いい写真だから」と押し切ってよいのでしょうか。

自分の暮らしや、自分に関することが、むやみに他の人へ広がらないよう守られることを、プライバシーといいます。子どもの権利条約の第16条も、子どものプライバシーなどを、不当・違法な干渉から守ることを定めています。

見せたくないという答えを受け止めるために、相手から詳しい事情を全部聞き出す必要はありません。「わかった。今は見せないね」と返すこともできます。eSafetyの子ども向け教材も、共有を望まない理由がわからなくても、相手の境界を尊重できると伝えています。

写真を大事に思うことと、相手の望まない見せ方をしないことは、両立します。挿絵では、マスコットが写真をしまい、勝手に広めないことを選んでいます。

返事をせかさず、変わった気持ちも聞く

「だめと言ったら仲間に入れないよ」と言われたら、安心して答えられるでしょうか。許可を聞くときは、相手が断れることも大切です。返事がまだないときに、勝手に「いいよ」に置きかえないようにします。

また、前はよいと思っても、後から気持ちが変わることがあります。eSafetyの写真共有の案内では、同意は後から取り消せると説明し、公開した写真の削除などに対応するよう勧めています。

下の図で、広める前の確認と、後からの相談をたどってみましょう。「もう見せたから終わり」とせず、自分ができる対応を考えます。ただし、自分の投稿を消しても、誰かが保存した写しまで全部消えたとは限りません。困ったときは、一人で抱えず、信頼できる大人に相談できます。

広める前と、その後にも確かめる

  1. 具体的に伝える

    どの写真を、だれに、どこで見せたい?

  2. せかさず聞く
    答えを待つ

    断ることも、まだ決められないことも受け止める。返事がないまま広めない。

  3. 気持ちが変わったら
    後からの相談にも応じる

    取り下げたいと言われたら、自分の公開を止めるなど対応する。保存された写しまで消えたとは限らない。

話し合いの例です。「同意があれば何でも公開できる」という意味ではありません。迷ったときは信頼できる大人と相談します。

写真を使わずに、練習してみよう

今日の活動では、本物の友だちの写真は使いません。紙に、架空の人物や動物と花を描き、写真の代わりにします。相手役と、見せたい人や目的を決めて、質問を作ってみましょう。

「この絵を、どこで、だれに、何のために見せるの?」。相手役が「見せないで」と答えたら、どんな言葉で返しますか。「わかった」「別の絵にしよう」。広めない選択もできます。

写真に写る相手も、自分と同じように、望みを持っています。「楽しいから見せたい」の前に、相手もその見せ方を望むか。小さな確認が、お互いを大切にする一歩になります。

くらべると、何が見える?

次の表は、この記事のために作った例です。

プライバシーと、写真を広める前の同意をくらべる
注目することたとえば考える手がかり
撮影の質問花のそばで写真を撮ってもいい?撮られることを聞く。見せる相手や公開先は、まだ決まっていない。
共有の質問この写真を、明日の集まりで3人に見せてもいい?見せる写真と場面を具体的にして、相手の答えを聞く。
別の公開先インターネットにも載せていい?友だちに見せることと同じにせず、改めて確かめる。投稿の判断は保護者などと相談する。

ことばの小さな辞典

プライバシー
自分の暮らしや自分に関することが、むやみに他の人へ広がらないよう守られること。
同意(どうい)
ここでは、することを理解し、無理に言わされずに「よい」と認めること。
共有(きょうゆう)
情報や写真などを、ほかの人も見られるようにすること。

紙とえんぴつで、やってみよう

答えを送信する必要はありません。自分のノートに書いて、おうちの人と話してみてね。

  1. 架空の人物や動物と花を、紙に描こう。本物の写真は使いません。
  2. だれに、どこで、何のために見せたいかを決め、相手役への質問を作ろう。
  3. 「よい」「見せないで」「まだ決められない」の返事を考え、せかさず受け止める言葉を練習しよう。

じぶんの考えを見つけよう

考えてみよう!

架空の人物が写った絵を、集まりの3人に見せたい。相手役に、どんなふうに聞く? 「見せないで」と言われたら、どう返す?

考えるヒントを見る

「この絵を、明日の集まりで3人に見せてもいい?」のように、対象・相手・場面を具体的にできます。「わかった、見せないね」と受け止めることも練習しましょう。本物の写真や、実際の名前・住所は使いません。

参考資料・さらに読む

おうちの方へ:お話のもとになった考え方を調べるための資料です(英語の資料を含みます)。身近な例や「考えてみよう」は、このサイトで作りました。

同意の理解・自由な許可と取り消しはeSafetyの写真共有の案内、断ることや理由を聞き出さず尊重する説明は子ども向け教材を参照しました。条約の説明はUNICEF掲載の第16条を参照しています。花の写真、3人への共有、会話、挿絵、図と活動は本サイト独自の架空例です。教材の登場人物や場面は転載していません。

内容の誤りや出典についてのご指摘は、訂正窓口へお寄せください。