名づけと分類の境界

名前がないと、見つけられない?

「葉っぱ」が名前を覚えるとちがって見える? 名づけと分類の便利さ、名前ではこぼれる特徴を考えます。

この記事で考えること:名前は共通点を探す目印。でも、名前のないちがいや、同じ名前の中のちがいも見つけられる。

「あの葉っぱ」では、どれのこと?

マスコットが先の細い葉と丸い葉を比べ、絵の札で仮に仲間分けしている。
マスコットが先の細い葉と丸い葉を比べ、絵の札で仮に仲間分けしている。

散歩中、足元に形のちがう葉っぱがいくつもありました。「あの葉っぱを見て」と言われても、どれか迷いますね。これは、名づけの役目を考えるための作り話です。

ここで仮に、先が細いものを「ほそ先」、先が丸いものを「まる先」と呼んでみましょう。「ほそ先を見て」と言えば、注目してほしい葉っぱを伝えやすくなります。挿絵の札のマークは、形で仲間分けするための目印。本当の植物名ではありません。

名前は、探すときの目印になる

特徴をもとに仲間分けすることを、分類(ぶんるい)といいます。同じ名前で呼ぶと、「どんなところが共通している?」と考えやすくなります。

研究では、大学生が初めて見る形を仲間分けする実験で、名前を一緒に学ぶことが助けになったという結果が出ました。ただし、決まった条件で調べた結果です。どんな名前でも、いつでも学びやすくするという意味ではありません。

下の図では、葉っぱを「先の形」で分ける場合と「ふちの形」で分ける場合を比べます。注目するところを変えると、仲間分けも変わることがあります。

同じ葉っぱ、分け方が変わる

A
B
C
D
  1. 先の形に注目

    先が細いA・Bと、先が丸いC・Dの仲間。

  2. ふちの形に注目

    ふちがなめらかなA・Cと、ぎざぎざなB・Dの仲間。

  3. 目的を確かめる

    何を調べるかで、選ぶ基準も変わる。

説明用の仮の分類です。植物名を判定する図ではありません。

名前がなくても、ちがいは見える

マスコットが札のついていない葉っぱを虫眼鏡で観察している。名前を知らなくても特徴を見られる場面。
マスコットが札のついていない葉っぱを虫眼鏡で観察している。名前を知らなくても特徴を見られる場面。

でも、「ほそ先」ということばを知らなかったら、先の細さは見えないのでしょうか。そんなことはありません。指をさしたり、絵に描いたり、「こちらのほうが細い」と説明したりできます。

ことばは考える助けになりますが、考えられることを全部決める箱ではありません。まだ名前を知らないものを見つけ、「何だろう?」と調べることもできます。挿絵では、札のない葉っぱも虫眼鏡で見ています。

境目のものが来たら、どうする?

新しい葉っぱを見つけました。先は少し細いけれど、いちばん先のところは丸くも見えます。「ほそ先」か「まる先」か、迷いますね。

ここでは、自然のもの全部が二つの箱にきっちり入る、と決めないでおきましょう。「まだ決めない」として特徴を書いたり、何を基準にするか話し合ったりできます。次の図は、名前を急いで付ける前の手順です。

学校の図鑑で植物の名前を確かめたいときには、葉の先だけでなく、つき方や花など、ほかの特徴も見ます。この記事の仮の分類を、そのまま植物の正しい分類として使わないようにしましょう。

どちらか迷ったら?

  1. よく見る

    先が少し細い。先端は丸い。

  2. 急がず
    基準を確かめる

    どこまでを「細い」と呼んだ?

  3. 足りなければ
    説明を足す

    決めにくい理由を残す。別の特徴も調べる。

名前を先に決めず、観察から始めてもよいのです。

人には、名前だけで決めつけない

名前の目印は便利ですが、その仲間の全員が何もかも同じになるわけではありません。「運動が得意な人」という呼び方だけで、好きな遊びや得意な科目まで決めることはできませんね。

名づけたあとにも、「このひとつは、どこがちがう?」と見てみましょう。名前で見つけやすくなることと、名前からこぼれるところ。その両方に気づくと、観察はもっと細かくなります。

くらべると、何が見える?

次の表は、この記事のために作った例です。

名づけと分類の境界をくらべる
注目することたとえば考える手がかり
先の形で分ける細い先・丸い先先に注目できる。ふちや大きさの違いは別に調べる必要がある。
ふちの形で分けるぎざぎざ・なめらか同じ葉っぱでも別の仲間分けになることがある。
境目を確かめる少し細く、先端は丸いすぐに決めず、特徴を足して説明する方法もある。

ことばの小さな辞典

分類
何かの特徴や目的をもとに、仲間分けすること。
基準
どう分けたり比べたりするかを決める目印。

紙とえんぴつで、やってみよう

答えを送信する必要はありません。自分のノートに書いて、おうちの人と話してみてね。

  1. 身の回りの安全な物を四つ選び、色で仲間分けしよう。
  2. 同じ四つを形で仲間分けして、組み合わせが変わるか見よう。
  3. どの仲間にも決めにくい物があれば、理由を言葉や絵で残そう。

じぶんの考えを見つけよう

考えてみよう!

赤くて丸い物と、青くて丸い物。ふたつは同じ仲間? ちがう仲間?

考えるヒントを見る

色で分けるならちがう仲間、形で分けるなら同じ仲間にできます。「何を調べたいか」を先に決めると、分類の理由が説明できます。

参考資料・さらに読む

おうちの方へ:お話のもとになった考え方を調べるための資料です(英語の資料を含みます)。身近な例や「考えてみよう」は、このサイトで作りました。

名前がカテゴリー学習を助けたという限定的な研究結果はLupyanらの実験を参照しました。言語と考えることを同一視できない点はWolff・Holmesのレビューを参考にしています。葉の仮の名前、図と活動は本サイト独自の説明です。

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