好きなことをしていい時間

放課後に、1時間の自由時間ができました。図書室で本を読む、絵を描く、庭の花を見に行く。どれを選んでもよく、だれも行き先を決めません。
ところが、図書室の入り口だけ、だれかがふさいでいたら? 本を読みたいと思っても、入れません。選べるはずの道が、ひとつ閉じています。
最初の挿絵では、三つの入り口が開いています。図では、道をふさぐ場合と、選べる場合をくらべてみよう。ここからは、考えるために作ったお話です。
道が開いているかをくらべる
- 道をふさがれる
図書室に行きたい。でも入り口をふさがれ、入れない。
- 道が開いている
読書・絵・庭の見学から、どれを選んでも止められない。
- 別の確認も必要
禁止がなくても、道具や情報が足りるかはまだわからない。
止められないことは、大切
「行ってはいけない」「それを選んではだめ」と、ほかの人にむやみに止められないこと。これは、自由を考える大切な見方です。
好きな本を読む人と、絵を描く人がいても、同じ活動にそろえる必要はありません。自分とちがう選び方を、すぐにまちがいにしない。そのためにも、選べる余地が役立ちます。
ただし、だれにも止められなければ何でもよい、という話ではありません。大音量で音楽を流して、隣の人の読書をずっとじゃまするなら、その人が選べることを狭めてしまいます。自分だけでなく、ほかの人の自由も考えます。
道が開いていても、選べない?

絵を描いてよいと言われても、紙も鉛筆もなく、借りる場所もわからなかったらどうでしょう。禁止はされていないのに、始めにくいですね。
今度は、道具を借りられる場所と、使い方を教えてくれる人がいました。絵を描く道が、実際に使える道に変わります。「選んでいい」と言うことと、選べる条件があることは、分けて調べられます。
次の挿絵は、借りた道具で自分の絵を描き始める場面です。図の三つの確認を見て、だれかが止めているのか、道具が足りないのか、それとも自分の希望がまだ決まらないのかを考えよう。
「選べる」を三つに分けて確認
- 止められていない?
選ぼうとしたとき、むやみに禁止する人や決まりはないか。
- 道が開いていても確認始められる?
道具・時間・情報があり、その道を実際に使えるか。
- 条件がそろったら確認どう決めたい?
自分の理由を考え、試したり相談したりできるか。
「あなたのため」が、決めつけになるとき
友だちが「絵より読書のほうがためになるよ」と、本だけを渡してきました。親切のつもりでも、あなたが絵を選ぶ道まで閉じたら、自分で決める余地は減ります。
手伝いには、いくつか形があります。道具の場所を教える。活動の内容を説明する。試してから決められる時間を作る。こうした手伝いなら、答えを先に決めずに、選ぶ力を支えられます。
自由を研究する哲学には、ほかの人に妨げられないことや、自分の生き方を自分で導くことを重視する議論があります。この二つは、いつもきれいに分かれるわけではありません。道具やお金の不足を自由の問題に含めるかについても、議論が続いています。
選んだあとに、考え直してもいい
最初は読書を選んでも、少し読んでから「今日は絵を描きたい」と気づくことがあります。決め直せるかどうかも、確かめる点になります。
自由をただ選択肢の数だけで測ると、選びたくないものがたくさん並んだ場合を見落とします。何を選べるのか、どう決めたのか、ほかの人がどう影響したのか。具体的に聞くと、話がはっきりします。
今日の自由時間について、自分で選んだことをひとつ思い出そう。選ぶのを助けたものと、難しくしたものを分けて書くと、次に必要な手伝いを考えられます。
くらべると、何が見える?
次の表は、この記事のために作った例です。
| 注目すること | たとえば | 考える手がかり |
|---|---|---|
| 道をふさがない | 読書も絵も、むやみに禁止しない | 選べる余地を守る。ただし、道具や情報の不足は別に調べる必要がある。 |
| 選べる条件を作る | 紙と鉛筆の貸し出し場所を知らせる | 活動を始めやすくする。何を選ぶかまで押しつけない。 |
| 選び方を考える | 試してから、自分の理由で決める | 自分の希望を確かめられる。いつでも一人で決める必要はない。 |
ことばの小さな辞典
- 自由
- 何をどのような条件で選び、行えるかを考えること。ひとつの意味だけに決まっているわけではありません。
- 干渉
- ほかの人の行動に入り込み、止めたり決めたりすること。
- 自分で決める
- 選択肢を知り、自分の理由を考えながら決めること。助けを借りることとも両立します。
紙とえんぴつで、やってみよう
答えを送信する必要はありません。自分のノートに書いて、おうちの人と話してみてね。
- 好きな活動を二つ、紙に書こう。
- それぞれ「止める人や決まり」「必要な道具」「選びたい理由」を分けて書こう。
- 手伝ってもらうなら、答えを決めてもらう以外に何を頼めるかな?

じぶんの考えを見つけよう
考えてみよう!
「好きな活動を選んでいい」と言われても、選びにくいのはどんなとき?
考えるヒントを見る
禁止されている場合と、道具・情報・時間が足りない場合を分けよう。何が変われば選びやすくなるかも考えてみて。
参考資料・さらに読む
おうちの方へ:お話のもとになった考え方を調べるための資料です(英語の資料を含みます)。身近な例や「考えてみよう」は、このサイトで作りました。
自由を妨害の不在と自己決定から考える議論、および資源不足の扱いをめぐる論点はStanford Encyclopedia of Philosophyを参照しました。放課後と道具の例、図、活動は独自に作った説明で、特定の哲学者の発言ではありません。
内容の誤りや出典についてのご指摘は、訂正窓口へお寄せください。


