湯のみの収縮率、どの寸法を基準にする?
「何%縮んだか」は、どの段階を基準にしたかで数字が変わる。湯のみの寸法を比べる準備として、乾燥と焼成を分けて整理した。測定の沼、まずは分母から。
3段階に分けて書く
陶磁器の技術資料DigitalfireのSHAB試験は、試験片の乾燥後と焼成後の長さなどを記録して材料を比べる方法。作品の見た目だけでなく、段階ごとの数値を残す考え方が参考になる。
次の図は説明用の仮定値。実際に作った湯のみの測定結果ではない。
成形直後:100 mm
↓ 乾燥
乾燥後 : 95 mm
↓ 焼成
焼成後 : 90 mmここでは「各段階の変化前の長さ」を分母にする、と決める。
乾燥による収縮:(100 − 95) ÷ 100 × 100 = 5.0%
乾燥後から焼成後:(95 − 90) ÷ 95 × 100 ≒ 5.3%
成形直後から焼成後:(100 − 90) ÷ 100 × 100 = 10.0%
5.0%と5.3%をそのまま足しても、全体の10.0%にはならない。基準が100 mmと95 mmで違うからだ。同じ「収縮率」でも、測定段階と分母を一緒に書きたい。
これは今回の記事で定義した計算法。Digitalfireの試験手順や計算の定義を、そのまま転載したものではない。資料にも分母の扱いについて記述があるので、他の数値と比較する前に定義を確認する。
出典:Digitalfire「Shrinkage/Absorption Test — SHAB」
湯のみの記録に落とし込むなら
口径と高さを別々に測る。口径は測る方向を決め、同じ位置・同じ道具で比べる。楕円になった場合は一方向の値だけで「全体が同じように縮んだ」と言い切らない。
記録欄は、作品番号/粘土/測定段階/測定位置/寸法mm/焼成条件/変形のメモ、くらいから。これは作品向けに整理した記録案で、SHABの標準手順そのものではない。
ノギスに細かい目盛りがあっても、その桁まで正確に測れたとは限らない。数字の細かさを増やすより、測る場所をそろえるほうから始めたい。
次に気になること
高さと口径の収縮率が違ったら、収縮だけでなく変形も分けて見たい。まずは同じ口径を二つの方向で記録する欄を考える。実際の作品の測定は、まだこの記事には載せていない。
資料確認:2026年10月1日。出典ページの発表・更新日は今回確認できず。速報ではなく測定の考え方をまとめた記事。計算例の100/95/90 mmは架空の説明値。
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